現在不整脈の治療は、大きく変わりつつあり、これまでは根治できなかった不整脈が治る時代になってきています

コース責任者:高月 誠司
コース責任者:高月 誠司

このコースで行うこと

  • 心電図の読解から不整脈の薬物治療、カテーテルアブレーションやデバイス治療まで、不整脈の治療をオールラウンドにこなせる医師を養成(不整脈専門医を取得します)
  • レーザーを用いた新しいアブレーション法の開発や、心嚢内視鏡を用いた新たな治療法の開発など、新しい治療法の開発や新たなエビデンスの構築

先輩には多くの女性医師もおります性別不問、年齢不問で多くの人材を募集しています

不整脈の治療は薬物治療と非薬物治療があります。内科医の多くは侵襲的な手技をすることはありませんが、不整脈医には薬物療法を行うための疾患に対する深い知識・知見と、カテーテルアブレーションやデバイスの植え込み手術を行う技量・技術の両方が求められます。その両方を非常に高いレベルで行い、また国際学会での発表や医学論文の作成など積極的に世界にエビデンスを発信しています。

イメージ画像
イメージ画像

臨床

カテーテルアブレーション

慶應大学では、1993年より不整脈カテーテルアブレーションを施行しています。カテーテルアブレーションはカテーテルの先端についた電極から高周波という特殊な電流を通電して、不整脈の原因となる回路、部位を焼灼し不整脈を根治する方法です。その器具もこの10年で大きく変化し、カテーテルの材質も改良されて圧倒的に治療が容易になりつつあります。我々の施設では、訓練された医師8年目以上の不整脈専門医が常駐し、さらに循環器専門医、研修医、医療機器専門技師、看護師で検査を行っています。中でも、肺静脈と左心房の電気的交通を遮断する肺静脈隔離を中心とする心房細動のカテーテル治療件数が多く、不整脈の回路をコンピューター上で3次元表示するCARTO system, EnSite systemなど多くの最新式の治療器具を国内でいち早く導入し、年間症例件数は300件を超えており、都内でも有数のアブレーション施設となっています。患者にやさしくクオリティーの高いアブレーションをモットーに行っています。

イメージ画像
イメージ画像
イメージ画像
イメージ画像
イメージ画像
イメージ画像
イメージ画像
イメージ画像
デバイス(ペースメーカー・植え込み型除細動器(ICD)・心室再同期療法(CRT))

不整脈非薬物治療のもう一つの柱、ペースメーカー・植え込み型除細動器(ICD)・心室再同期療法(CRT)を循環器内科では積極的に植え込んでいます。最新のペースメーカーや植え込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法のためのCRT-Dは、たえず機器本体および患者様の心臓の状況を確認し記録しています。これら植え込み機器の情報は、電話回線を通じて自宅から専用のサーバーに送られ、医師、看護師らはインターネットを介してサーバーにアクセスし、送られた植え込み機器の情報を確認しています。この新しい遠隔医療システムである「遠隔モニタリング」を利用することにより、患者様の半数以上は他府県に居住されていますが、必要に応じて、外来受診日より前もって、植え込み機器の情報を確認することが可能です。

イメージ画像
イメージ画像

また、植込型心電図ループレコーダーにより、重篤な不整脈が原因で動悸や失神などを繰り返す患者様の診断をしています。症状が重篤であるのに、頻度が少なく、一瞬で終わってしまう場合など、ループレコーダーは常に心電図を記録し続けており、症状があった後にボタンを押すことで、その時点よりさかのぼった数十秒間の心電図記録がメモリーに登録されます。植込みも局所麻酔下に胸部皮膚に1cm弱の切開を作成し、USBメモリースティック程度の大きさの器具を皮下に挿入するきわめて低侵襲な手術です。

遺伝性不整脈

心臓イオンチャネルの遺伝子異常により家族性に不整脈が出現する場合があります。特に近親者に3-40代までの若年性突然死をされた方がいる場合や、心室性不整脈、心房細動、ペースメーカーを必要とする疾患が家族性、若年性に発症している場合、遺伝子異常が背景にある可能性が高くなります。病気の原因遺伝子を祖先から代々受け継いでいても、環境要因によって症状が軽く、また日によっては心電図変化が明確でない場合もあり、運動負荷や薬物負荷試験などによって確定診断を行うことがあります。変異のある遺伝子の違いによって治療法や生活上の注意点が異なる場合もあり、遺伝子検査から有用な情報が得られることがあります。臨床遺伝専門医とのコラボレーションで、次世代シークエンサーを利用した迅速な遺伝子異常のチェック、遺伝カウンセリングを行いながら診療しています。

研究

基礎的な研究や臨床研究にも重点をおいています。学内の倫理委員会で承認された臨床研究を行い、その範囲は、心電図、心エコー、電気生理学的検査などの基本的な内容から、最新の薬剤や機材を日本で積極的に利用している使用経験を元に、統計学的な解析を行いより質の高い医療を目指しています。不整脈に対する知識と経験を医療従事者が得るばかりではなく、患者様への治療に反映しています。このような基礎的な研究を医師が行うことによって、今まで誰も見たこともないような複雑な不整脈に遭遇した際でも、的確に診断と治療を施せるように心がけております。また、基礎研究では、心嚢腔に内視鏡挿入する新たな画像システムの構築や、光を使った新しいカテーテルアブレーションの方法の検討、さらに、IPS細胞を利用した最先端の不整脈研究などを行っており、世界の学会で独創的な報告をしています。これらの研究実績により、不整脈治療の臨床技術を習得しながらその成果をまとめ、数々の論文を世界に発信しています。

ページの先頭へ