片岡雅晴君が肺高血圧症患者における新規バイオマーカーとしての血中アミノ酸濃度およびFischer比の意義を示した論文を発表

肺高血圧症患者における新規バイオマーカーとしての血中アミノ酸濃度およびFischer比の意義を示した論文を発表

Usefulness of circulating amino acid profile and Fischer ratio to predict severity of pulmonary hypertension Am J Cardiol 2015; in-press

慶應義塾大学医学部循環器内科(片岡雅晴特任講師、川上崇史特任助教、佐野元昭准教授、福田恵一教授)と杏林大学病院循環器内科(柳澤亮爾助教、佐藤徹教授、吉野秀朗教授)らの共同研究グループは、肺高血圧症患者における新しい非侵襲的バイオマーカーとしての血中アミノ酸濃度測定の意義を報告し、アミノ酸指標の一つであるFischer比が肺高血圧症患者の重症度を反映することを発見しました。

本研究グループは、肺高血圧症患者140名以上から空腹時採血でのアミノ酸血中濃度を測定し、年齢性別の一致した140名以上の健常者との比較により、肺高血圧症患者で有意に健常者と差異があることを明らかにしました。また、芳香族アミノ酸と分枝鎖アミノ酸の比であるFischer比に着目し、Fischer比が肺高血圧症患者の血行動態や心血管イベント発生率と有意に相関することを報告しました。Fischer比は肝硬変等の主に肝疾患における臨床的意義が従来報告されていますが、肺高血圧症患者でのFischer比は肝機能とは相関しておらず、むしろ心拍出量によって影響される全身代謝状態を反映すると考えられました。

今回の研究成果は、血中アミノ酸濃度およびFischer比の測定が肺高血圧症の管理と治療において有用な新規のバイオマーカーとなる可能性を示唆しています。肺高血圧症は難治性の重症疾患であり、様々な治療薬が近年開発されつつあるものの、依然として治療難渋性の患者も存在しており、管理と治療に有用な非侵襲的バイオマーカーの新しい開発が今後も求められます。今回の研究成果によって、肺高血圧症患者の全身代謝状態を反映するバイオマーカーとして新たにアミノ酸濃度やFischer比の意義が提唱されたことは、極めて価値が高いと考えられます。本研究成果が、肺高血圧症患者の早期診断と適切な治療につながり、患者予後の改善に貢献することが期待されます。

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