松橋智弘君の論文がJournal of Molecular and Cellular Cardiologyに掲載されました

Activation of pyruvate dehydrogenase by dichloroacetate has the potential to induce epigenetic remodeling in the heart.


Matsuhashi T, Hishiki T, Zhou H, Ono T, Kaneda R, Iso T, Yamaguchi A, Endo J, Katsumata Y, Atsushi A, Yamamoto T, Shirakawa K, Yan X, Shinmura K, Suematsu M, Fukuda K, Sano M.


J Mol Cell Cardiol. 2015 Mar 2;82:116-124. doi: 10.1016/j.yjmcc.2015.02.021.


要旨:Dichloroacetate (DCA) は、グルコースが解糖系で代謝されたあと、効率よくミトコンドリアに取り込ませる代謝改善薬で、心不全に対する有効性を検討する臨床試験が進行中である。これまでの動物実験の結果、DCAが心不全に対して治療効果を発揮する機序として、1)ミトコンドリアにおけるATP合成を促進させる、2)乳酸の産生を抑制して細胞内が酸性に傾くのを防ぐ、3)酸化ストレスを抑制する、などが想定されてきた。


本論文で、松橋君は、DCAが圧負荷による心肥大、心不全を抑制することを示した。その上で、心臓に取り込まれたグルコースのパスウェイ解析を行い、DCAによってミトコンドリアにより多く取り込まれるようになったグルコースは、クエン酸回路で酸化されてATP合成に使われるのではなく、アセチルCoAプールを増加させている現象を見出した。その結果、ヒストンのアセチル化が亢進して、心臓に発現している遺伝子の2.3%の遺伝子発現が増加した。その中には、KLF4, KLF15をはじめとする心肥大を抑制する機能を持っている転写制御因子群が有意に濃縮されていた。

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