第82回日本循環器学会学術集会で山本恒久先生がYIA(Basic Research部門)優秀賞を受賞し表彰されました

平成30年3月23日から大阪府大阪市にて第82回日本循環器学会学術集会が開催された。この学会において、Young Investigator’s Award 候補に関する英語論文公募がなされ、全国の大学・医療機関より多数の演題の応募があった。厳しい予備審査が開催され、最終候補者4名が選出され循環器内科の山本恒久君(88回)が選考された。学会期間内に英語のプレゼンテーションによる最終選考会が開催され、同君はBasic research部門優秀賞を受賞した。

脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されるが心血管系に与える影響は臨床的には推測されてはいるものの詳細な分子機構の解明はなされてこなかった。そこで同君は、飽和脂肪酸を過剰に摂取すると心臓の細胞膜脂肪酸組成が飽和脂肪酸へ大きく傾き、その組成の変化により小胞体ストレスが誘導され拡張障害の原因となることを突き止めた。さらに、Sirtuin1(Sirt1)と呼ばれる抗老化遺伝子が重要な働きを示すこと、その下流にはSCD1の発現を高めて、細胞膜中の飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸へと変換することで脂肪酸組成の偏りを是正し拡張障害を改善することを明らかにした。飽食の現代において拡張障害型の心不全患者は今後も増加が予想されるが、同君の研究は細胞膜の脂肪酸組成に着目した拡張障害型心不全へ対する新たな治療アプローチを提唱した極めて重要な研究内容であり、今後の発展が期待される。

 

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