お知らせ
貞廣先生が病的線維芽細胞選択的なアデノ随伴ウイルスベクター開発に関する研究論文を『Stem Cell Reports』に発表
受賞論文・演題名
Development of adeno-associated viral vectors targeting cardiac fibroblasts for efficient in vivo cardiac reprogramming
著者名
Koji Nakano, ∙ Taketaro Sadahiro, ∙ Ryo Fujita, ∙ Mari Isomi, ∙ Yuto Abe, ∙ Yu Yamada, ∙ Tatsuya Akiyama, ∙ Seiichiro Honda, ∙ Brent A. French, ∙ Hiroaki Mizukami, ∙ Masaki Ieda.
掲載雑誌情報
Stem Cell Reports, 5 September 2024. DOI: 10.1016/j.stemcr.2024.08.002
詳細
我々は、新しい心臓再生法として、心臓に存在する心臓線維芽細胞に心筋誘導遺伝子を導入し、マウス生体内で心筋細胞を作製できることを報告してきましたが、臨床応用にあたっては、安全かつ効率的に線維芽細胞選択的な遺伝子導入が可能なウイルスベクターを開発する必要がありました。
我々は、遺伝子治療で用いられているアデノ随伴ウイルスベクターに注目し、生体内・外のスクリーニングを通じて、心筋梗塞後に活性化する病的心臓線維芽細胞選択的な遺伝子発現が可能なAAV-DJ-Postnを開発しました。
このAAV-DJ-Postnを使うことで、心筋梗塞モデルマウスの病的心臓線維芽細胞からの心筋再生に成功し、心臓線維化領域が減少、心臓機能の改善に成功しました。今後、この新たなベクターを用いた心臓再生法への応用が期待できます。本研究は2024年9月5日に国際科学雑誌『Stem Cell Reports』に発表されました。