お知らせ
2025.03.31
山﨑 雄友先生が虚血急性期におけるR-on-T型VPDとPhase 2 reentryに関する論文を『Circulation』に発表

受賞論文・演題名
Coupling Interval Counts in Ventricular Premature Depolarizations During Acute Ischemia
受賞者
Yusuke Yamazaki*, Hideo Mitamura, Toru Egashira
掲載雑誌情報
Circulation, March 25 2025. DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA. 124.073654
詳細
虚血急性期に出現する心室細動(VF)の予知因子の一つとして、R-on-Tパターンを示す心室期外収縮(VPD)が知られています。自験例では連結期210 msのR-on-T型VPDが多発した後にVFが誘発されましたが、この超短連結期でVPDが生じるためには活動電位(AP)第2相が極端に短い必要があります。虚血早期から特に心外膜側(Epi)心筋細胞のAPが短縮し、STが上昇しますが、Purkinje線維を含む心内膜側(Endo)のAP持続時間との差が拡がると、EndoからEpiへの再興奮が起こり得ることから、このPhase 2 reentryがR-on-T型VPDとVFの本質である可能性を論じました。実臨床で、このようなR-on-T型VPDsが見られた場合には除細動器の準備と共に迅速な再灌流が優先されます。本論文は2025年3月25日に国際科学雑誌『Circulation』に発表されました。