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2025.07.01

高先生、劉先生、安西先生が心筋梗塞後の過剰な炎症を促進する新規メカニズムに関する研究論文を『Circulation Research』に発表

論文名

Sipa1 Drives a Maladaptive Fibroblast-Myeloid Axis After Myocardial Infarction

著者名

Seien Ko, Xueyuan Liu, Yurika Taniguchi, Genki Ichihara, Jin Komuro, Hiroyuki Yamakawa, Kohsuke Shirakawa, Hisayuki Hashimoto, Yoshinori Katsumata, Jin Endo, Masakazu Hattori, Nagahiro Minato, Motoaki Sano, Atsushi Anzai, Masaki Ieda.

掲載雑誌情報

Circulation Research, Jun. 26, 2025. doi: 10.1161/CIRCRESAHA.124.326030.

詳細

心筋梗塞後心不全の発症には、骨髄由来炎症細胞の浸潤による過剰な炎症が関与していることが数多くの研究により示されてきました。しかしながら、初期に炎症細胞を梗塞部に動員する詳細な分子機序は明らかとなっておりませんでした。本研究では心臓線維芽細胞に着目し、同細胞におけるSipa1(Signal-induced proliferation-associated gene-1)を介した炎症シグナルが、CCL2/7およびGM-CSFの産生を促進し、心筋梗塞後急性期における炎症性単球およびマクロファージの梗塞部への蓄積と活性化を促進することを明らかにしました。また、心臓線維芽細胞特異的Sipa1欠損マウスでは心筋梗塞後の過剰な炎症が抑制され、心機能や生存率が改善することも確認しました。さらに、心臓線維芽細胞におけるSipa1シグナルは、既知のRap1依存経路ではなく、RasGRP2–Ras–JNK経路を介して作動することを新たに突き止めました。これらの知見は、心臓線維芽細胞のSipa1が梗塞後心不全発症を予防する新たな治療標的となり得ることを示唆するものと考えられます。本成果は、2025年6月26日付で国際科学誌『Circulation Research』に掲載されました。

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