お知らせ
小室仁先生、橋本寿之先生が心不全の進行に“心臓の線維芽細胞”が深く関与する新たな仕組みを明らかにした研究論文を『Nature Cardiovascular Research』に発表
論文名
Heart failure-specific cardiac fibroblasts contribute to cardiac dysfunction via c-MYC-CXCL1–CXCR2 axis
著者名
Jin Komuro, Hisayuki Hashimoto, Toshiomi Katsuki, Dai Kusumoto, Manami Katoh, Toshiyuki Ko, Masamichi Ito, Mikako Katagiri, Masayuki Kubota, Shintaro Yamada, Takahiro Nakamura, Yohei Akiba, Thukaa Kouka, Kaoruko Komuro, Mai Kimura, Shogo Ito, Seitaro Nomura, Issei Komuro, Keiichi Fukuda, Shinsuke Yuasa*, Masaki Ieda.
掲載雑誌情報
Nat Cardiovasc Res. 2025 Sep;4(9):1135-1151. doi: 10.1038/s44161-025-00698-y.
詳細
研究チームは、心不全モデルマウスを用いた解析により、これまで「構造を支持しているだけの細胞」と考えられていた線維芽細胞が、MYCというタンパク質を介してCXCL1という分子を分泌し、心筋細胞のCXCR2という受容体を介して心不全を増悪させることを発見しました。さらに、このMYC-CXCL1-CXCR2経路の働きをブロックすることで心不全の悪化を防げることも示され、心不全の新たな原因解明とともに、非心筋細胞を標的とする新しい治療法の可能性が示唆されました。本研究成果は基礎研究段階ですが、ヒト心不全患者でも同様のメカニズムが確認されており、今後の臨床応用が期待されます。本成果は、2025年9月10日、国際学術誌「Nature Cardiovascular Research」に掲載されました。

