クラークシップの心得

医療面接の進め方

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患者さんのアプローチが問診から始まり、身体所見や検査結果を集め、自分で評価するという基本姿勢は、大リーグのジョーディマジオの連続安打記録(56試合)の如く不動のものであるべきです。この研修の期間はそうして練り上げた自分なりのプランを適切な形でプレゼンテーションしなくてはならないわけですが、ここでは医療面接の3つの基本的なテクニックを列挙します。

Open-ended question
かならずYes/Noで閉じるような質問はなるべく使わない
例:どうされましたか?
Facilitation
患者の話を妨げないで,よく話を注意して聞く患者が迷っていたり,同じことをくり返すようであれば,話の方向づけをする
例:ほ一、そうですか、わかりますよ、続けてください。
Repeat/Summerize
患者の話を聞いた後で、くり返したり・要約したりして患者の訴えを確認する
例:つまり、3週間前から肩が痛くて、いつもより疲れているということですか?

プレゼンテーションの作法

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  • 最初は年齢、性別、メインの既往歴から主訴/入院理由までを一気に!
    • 67歳男性で昨年ST上昇心筋梗塞(STEMI)にPCIを行い、今回フォローアップ冠動脈造影のため入院
    • 80歳男性で拡張型心筋症の既往があり、今回一週間前からの呼吸困難増悪を認め入院
    • 45歳女性で以前から心房細動に薬物治療を行っていたが、今回アブレーション(焼灼療法)のため入院
  • 現病歴(Subjectiveなデータ)を述べる
    • 院の前に行われた検査などの経緯
    • 入院に至るまでの数日あるいは数時間の経過(いつから、どのような症状が出現したのか)
    • 主な症状についてはきちんとLQQTSFAの情報を集めましょう
    • 各々の疾患のリスクファクターについても述べる – 糖尿病や高血圧など
    • 入院後に行っている検査や治療と患者さんの状態(改善しているのかどうか等)
    • 既往歴、手術歴、家族歴、社会歴、可能ならば Review of System をまとめる
  • そして、OからA/Pへ

アセスメントのヒント

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  • 単なるまとめ(サマリ)を書いてはならない。
  • 問題点によってA&Pを構成すること。A&Pは問題点の優先度の順番に焦点をあてなければならないので、いの一番に挙げられる問題点は主訴であることが多い。
  • それぞれの問題点に対するA&P
    • まず、問題点をリストアップする(ProblemList)
    • 仮説を述べる(まず呼吸苦の原因として考えられるのはうっ血性心不全だと思われる、など)
    • 仮説をデータにより証明する(浮腫やラ音の合併、Ⅲ音、胸部X線よりこの診断にいたる、など)
    • 鑑別が必要な他の診断をリストアップし、根拠となるデータを示す。(例:鑑別診断としては肺炎、肺塞栓症、気胸が考えられたが、熱や咳がないことや、胸部X線所見からもこれらの疾患は除外できるものと考えられる)。
  • プランを記載
    • 何がなされるのかはっきりさせるために、具体的な&qout;やること&qout;を記載すること。例えば、「抗生剤を考慮する」ではなく、「Ampicillin500mg経口投与による治療を本日から行う」と記載する。

アセスメントのヒント

循環器診療プライマリ・レファレンス 循環器診療プライマリ・レファレンス

これまでクラークシップで質問してもらったことを参考に本を一冊上梓しました。真摯に循環器内科の学生実習に関わってくれた皆さんのお陰で良い内容になりました。この場をかりて学生さん、教育スタッフ、そして貴重な経験をシェアしてくださった患者の皆様に感謝させていただきます。

 

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